ラストレターが1月17日に映画公開となりました。
今回は、ラストレターに出てくる登場人物の相関関係と、あらすじをまとめました。
後半はネタバレを含む内容となっておりますので、見に行く予定の方はご注意ください。
映画ラストレターの概要
ラストレターのキャスト
キャスト | 役名 | プロフィール |
松たか子 | 岸辺野裕里 | 遠野未咲の妹で、夫・宗二郎と、娘・そよか、息子・瑛斗の四人ぐらしをしている主婦。 |
広瀬すず | 遠野鮎美 | 母親である未咲が亡くなり、祖父母の家に身を寄せている。 |
遠野未咲(回想シーン) | 裕里の姉。学校のヒロイン的な存在。 | |
庵野秀明 | 岸辺野宗二郎 | 裕里の夫で漫画家。裕里と鏡史郎の浮気を疑っている。 |
森七菜 | 岸辺野颯香 | 裕里の娘。夏休みの間、鮎美と共に祖父母の家で過ごす。 |
遠野裕里(回想シーン) | 未咲の妹。乙坂鏡史郎に片思い。 | |
豊川悦司 | 阿藤陽市 | 未咲の元旦那。 |
神木隆之介 | 乙坂鏡史郎(回想シーン) | 裕里・未咲の高校に転校してきた転校生。未咲に一目惚れする。 |
福山雅治 | 乙坂鏡史郎 | 小説家として活動するも、デビュー作以降全く書けていない。 |
ラストレターの相関関係
ラストレターのあらすじ
公式サイトからのあらすじ
裕里(松たか子)の姉の未咲が、亡くなった。裕里は葬儀の場で、未咲の面影を残す娘の鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会することに。勘違いから始まった、裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は、未咲のふりをして、手紙を書き続ける。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎(回想・神木隆之介)と未咲(回想・広瀬すず)、そして裕里(回想・森七菜)の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだす。ひょんなことから彼らを繋いだ手紙は、未咲の死の真相、そして過去と現在、心に蓋をしてきたそれぞれの初恋の想いを、時を超えて動かしていく―――映画ラストレター公式サイトより引用
ラストレターのラスト(ネタバレあり)
※こちらはネタバレを含みます。
さて、勘違いから始まった裕里と鏡史郎との不思議な文通ですが、実は鏡史郎は同窓会に来ていた未咲が、妹の裕里であることに気付いていたのでした。
「なぜ裕里が未咲のふりをして同窓会に来ていたのか」、そらも十分気になる要素でしたが、「もしかしたら裕里と連絡を取ることで、まだ想い続けている未咲にたどり着けるんじゃないか」との気持ちから裕里の”ウソ”に乗っかります。
そして鏡史郎は、実家に手紙を送れば本物の未咲と連絡が取れるかもしれないと考えたのです。
鏡史郎が送った手紙は、たまたま祖父母の家のポストを開けた、鮎美と颯香の手に渡り、こちらでも鏡史郎との文通により、未咲と裕里が歩んできた青春時代が鮮やかに蘇っていくのです。
鏡史郎の元には、裕里が未咲になりすまして書いている手紙、鮎美と颯香が未咲に成り代わって書いている手紙、二通が届くようになります。
それまで裕里は差し出し住所は書かずに投函していましたが、ある老人と出会ったことにより、返送先の住所として、その方の住所を借りることにしました。
すると、鏡史郎がいきなり訪ねてきます。
同窓会でのいきさつ、手紙のこと、そして姉・未咲の死の真相を告げるのでした。
鏡史郎は大学時代に未咲と付き合っていたことを裕里に話します。
未咲を奪った阿藤という男性と未咲が結婚したと知り、ひどい仕打ちを受けていたことに愕然とし、取材と称して未咲が住んでいた場所を尋ねると、そこには行方知れずだった阿藤が住んでいたのです。
いきなりの対面に戸惑いますが、阿藤はすでに自分の居場所を見つけており、鏡史郎は蚊帳の外だったということを思い知らされます。
翌日、廃校が決まった高校の校舎へ向かうと、未咲と裕里に見間違うほど良く似た、鮎美と颯香に出会います。
未咲の実家に案内され、未咲との思い出に涙が溢れ出し、もう一度小説を書いてみようという気持ちが湧き上がるのです。
未咲も鮎美も、以前鏡史郎が書いた「未咲」という本や、未咲宛の手紙が心の支えだったと告白します。
宝物だったと。
そして、「ラストレター」の最後は、鮎美がずっと開けないでいた”お母さんの遺書”を読むところで終わります。
その遺書には、高校時代に生徒会長をしていた未咲が卒業式の答辞として読んだ原稿だったのです。
当時の卒業式のフラッシュバックと、鮎美が答辞を読み上げる姿、もうこの世にはいない未咲の目線なのか、空から見下ろすアングルで幕を閉じます。
ラストレターの感想
面白いなと思ったのは、未咲が一切姿を現さない(亡くなったのでもちろんですが)にも関わらず、まるで未咲が生きているような、すぐそばにいるような不思議な感覚になりながらストーリーを追うことが出来た点です。
鏡史郎にとっては、大学時代に未咲と別れてからは会っていない。
妹の裕里も未咲が大学に進学したときから疎遠になっている。
また、阿藤と暮らしている時の未咲や、鏡史郎と付き合っている時の未咲の姿でさえ描かれていないのです。
未咲が出てくるのは高校時代だけ。
その後の未咲の姿は娘である鮎美が唯一知っていますが、具体的な描写はなく、私達は未咲について想像を巡らせます。
それは鏡史郎や裕里とも同じ立場なのです。
作品の中で、「誰かがその人のことを思い続けたら、死んだ人も生きていることになるんじゃないでしょうか」と裕里が言っていました。
姉のふりをしながら手紙を書いていたら、未咲の人生がまだ続いている感覚になったから。
「ラストレター」では、時間軸が絶妙で、高校時代を回想するたびに、引き込まれていきます。
そして映像がとても綺麗な作品だなと感じました。
ラストは答辞を読み上げるシーンで締めくくられていましたが、多分この映画自体が鏡史郎の作品だからではないでしょうか。
映画の中での鏡史郎の作品は「未咲」という小説だけでしたが、未咲の死や鮎美との出会いにより、「もう一度小説を書いてみようと思う」と言っています。
未咲の死により、鏡史郎は「ラストレター」という作品を残したのだと思います。
現に「ラストレター」の岩井俊二監督は、原作小説を出しています。
こちらでは、鏡史郎目線でストーリーが描かれています。
映画とは流れは同じですが、鏡史郎の感情の起伏や心情、また細かい葛藤などが描かれており、映画がリアルタイムな出来事だとしたら、原作のほうは、その後鏡史郎が取材し、出版した小説のような内容です。
なので、「あの時こう思っていたんだ!」など、深く入り込めると思います。
・裕里のスマホは壊れたあとどうなった!?
・ボルとゾイのその後
・阿藤は何者か!大学で何をしていたの?
・阿藤の同居人サカエの名前の意味
・鏡史郎の鳩を操る意外な副業
などなど。
映画では分からなかった情報も、原作小説を読むと明らかになります。
鏡史郎の部活が違っていたり、瑛斗は未咲の息子だったりと若干違うところもありますが、おおまかな流れは一緒です。
しかし、鏡史郎目線なので、違う物語のように、純粋に楽しめました(^^)
映画が良かった方は、是非こちらもチェックしてみてください!!
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まとめ
ラストレターは、「手紙」という媒体を使ってストーリー展開されていき、回想シーンを使うことによって徐々に謎が解けていくといった仕掛けがされています。
そして豪華俳優さんたちも役柄とマッチしていてヒットしそうですね。
「未咲」という小説が気になった方はこちら
「ラストレター」原作は、映画に行く前に読んでも大丈夫ですよ。