
映画ラストレターが1月17日に公開されましたね。
もうすでに見に行っている方も沢山いらっしゃるようで、Twitterなどに感想が上がっています。
そのなかでも「気持ち悪い」というキーワードが上位にきていたので、今回はなぜ気持ち悪いと言われるのか考えてみました。
ネタバレを含む内容も出てきますので、見に行く予定の方はご注意ください。
目次
映画ラストレターが気持ち悪いのはなぜ?
Twitterで「気持ち悪い」は褒めている!?
早速ですが、Twitterに出ている一部をご紹介します。
「気持ち悪い」という表現が沢山のツイートで使われています。
映画ラストレター観てきたよ。
気持ち悪いってツイッターで上がってきてたから、かまえてみたけど、気持ち悪さはわかった。初恋美化して引きずりまくってて、きもこわい。
この抵抗感さえ乗り越えれば美しかったけれど、あんな少女も大人の女性も実在しない。あれは男性が見てる夢だ。— tomochin (@syakuyaku_botan) January 19, 2020
ただ単に「気持ち悪い」と見ている受手もいますが、その反面、妙にリアルな表現が「気持ち悪く」感じる”絶賛”の声も沢山あるように思いました。
一通りコメントを見たところ、特に昔から岩井俊二作品のファンの方に「気持ち悪い」と褒めている方が多い傾向にありました。
映画ラストレターが気持ち悪いと言われる理由
では何で「気持ち悪い」と思うのでしょう?
単純に「気持ち悪い」と言っている方たちの様々な意見をまとめてみると、”40歳にもなったおじさんが学生時代の初恋を引きずっている”からのようです。
さらに、”定職にも就かず、夢を諦めきれずに自分探しをしているから”といった感じでしょうか。
福山雅治さんの演技力も、拍車をかけていたように思います。
普段はあんなに二枚目なのに、バス停で裕里に話しかけてきた姿には、若干ゾクッとしました。
まさに”孤独で自分を見失った小説家”オーラが全面に出ていました。
そして否定的な「気持ち悪い」という感想を持つ方たちは、比較的若い世代に多いように感じます。
今の若い世代は「文通」といったこともピンと来ないでしょうし、SNSなどですぐに繋がれる環境が当たり前となっているので、何年も連絡を取っていない相手を想っているということに共感が出来ないのかもしれません。
”恋愛離れ”といった時代背景も浮き彫りにされているのかもしれません。
また、”お父さん、お母さん”世代の恋愛ということで「気持ち悪い」と思うのですかね。
主人公は40代のおじさんで、その初恋の相手には高校生の子供がいますので、子供の立場だったら、”お母さんの元カレ”が出てきたってことになりますし。
どこに感情移入するかによって見方も変わってくるでしょう。
リアルで生々しい気持ち悪さと、透き通った映像のコントラスト
反対に、ラストレターは心にしみる恋愛映画だという意見も沢山あります。
「気持ち悪くて最高!」という意見も合わせて、絶賛の声のほうが圧倒的に多いですね。
「ラストレター」
“手紙”で繋がる現在と過去のすれ違いの話で、絶妙に気持ち悪いと思わせないギリギリを狙った詩的な感じとか寓話な感じがあって、個人的にはどハマりして普通にちょっと泣いた。岩井俊二監督の感じは意外に好みかもしれない。とにかく“手紙”に乗せる思いの儚さと純粋さが心にきた。 pic.twitter.com/5P0QRuheCM— きりとし (@daikiri_films) January 23, 2020
実際に見に行った感想としては、全体的に綺麗な映像で、回想シーンが多く、それぞれの役の気持ちの変化が手にとるように分かる素晴らしい内容でした。
廃校予定の校舎で、鏡史郎が鮎美と颯香に出会うシーンですが、過去のキラキラした思い出と二人の姿が重なります。
冷静に考えたら、「今どきふわっとしたワンピース一枚の高校生なんて、そういないでしょ!!」とツッコミを入れるところですが、それが自然と違和感なく画角に収まってしますのが、岩井俊二ワールドなのでしょうね。
過去の岩井俊二作品と共通する「気持ち悪さ」
岩井俊二監督は、過去にも様々な作品を世に残しています。
その一部をまとまてみました。
岩井俊二の代表作品
・Love Letter
・スワロウテイル
・リリイ・シュシュのすべて
・花とアリス
・リップヴァンウィンクルの花嫁
・打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
代表的な作品としては「Love Letter」ですね。
こちらはラストレターでも出演している「中山美穂」や「豊川悦司」が主演となった映画で、主要な映画賞を総なめにした作品です。
「Love Letter」含めた岩井俊二それぞれの作品で、ある共通するツイートを見つけました。
こちらも一部紹介します。
・Love Letter
・スワロウテイル
・リリイ・シュシュのすべて
リリイ・シュシュのすべてついに見た。なんというかこういう作品が評価されてるのは良い意味で気持ち悪いなと思った。良い意味で。頭の片隅にある思春期のぐちゃぐちゃを掻き回される映画。
— こるく (@c_ork) June 8, 2013
・花とアリス
・リップヴァンウィンクルの花嫁
・打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
岩井俊二が描く世界観は、独特な「気持ち悪さ」があり、それと相反するような特別な空気感があるように思います。
なので、自身の青春時代や生きてきたストーリーが噛み合わないと、理解できない世界観なのかもしれません。
また、ストーカーっぽい役柄や、少女と女性の狭間を描く表現が、過去作品共通して「リアル」なんです。
ハマる人はハマる「気持ち悪さ」(いい意味で!)が岩井俊二ワールドなのでしょう。
まとめ
今回のラストレターで「気持ち悪い」とツイートしている方たちの意見をまとめてみました。
「気持ち悪い」と言われるのは、
・完全に価値観が合わないから
・リアルで生々しい表現が気持ち悪い
・共感しすぎて気持ち悪い(いい意味で)
という理由からです。
私の意見としては、ラストレターは、他の作品ほどの見終わったあとのモヤモヤは無く、とても素敵な作品でした。
また、「気持ち悪い」とTwitterで上位に来ているのは、一部の人のツイートが気になって、他の人も検索するといった現象が起きているからのようでした。
気にせず、迷っている方、まだ見ていない方は劇場へGOです!
サスペンスなどと違って、ネタバレ読んでも、映像から受け取る感動や切なさは変わらない作品です!!