映画「ラストレター」が1月17日に公開されました。
すでに見に行った方も多いようですね。
ストーリー中に何度も黄色い表紙の「未咲」という小説が出てきたのを覚えていますか?
気になりますよね!
あったら読んでみたいですよね!?
そこで「未咲」は実際に存在するのか調べてみました!
ラストレターに出てくる小説「未咲」は存在するのか
小説「未咲」がある場所
結論から言うと、「未咲」という小説はあります!!
しかし、私達が読むことは出来ません。
どういうことかというと、今回の「ラストレター」の原作を書いた岩井俊二監督のパソコンの中に眠っているのです。
岩井俊二監督Twitterより
小説「未咲」とは?
「未咲」は鏡史郎という小説家が、昔付き合っていた未咲という彼女を題材に書いた小説です。
正確には、鏡史郎が未咲と別れたあとに、未咲に宛てに書いた手紙が「未咲」となりました。
映画では、小説を書きながら、出来上がったところまでを清書し、何度も未咲へ送っていたと語っています。
どちらにせよ、「未咲」には鏡史郎の生い立ちや、未咲に対する想いが沢山詰まった作品だということは間違いないでしょう。
本作品の中では、その「未咲」という黄色い表紙の本が幾度となく登場します。
亡くなった未咲にとっては「未咲」が大切な宝物でした。
未咲の娘である鮎美にとっても、生きていく上での心の支えだったと言っています。
小説「未咲」の内容
世には出ていない「未咲」ですが、鏡史郎役である福山雅治は、この作品を読んでいます。
岩井 実際、現場でも「今回は岩井さんをモデルにします」と福山さんはおっしゃっていました。それはなぜかというと、『ラストレター』の劇中に『未咲』という小説が物語の重要なポイントになる小道具として出てくるのですが、映画の中ではこの小説の中身についてはほぼ触れられていなくて、広瀬すずさんがさわりをちょっと読むシーンが出てくるくらいで、何が書かれているかはほとんど謎のままなんです。でも実はこの小説もまるっと全部、200ページくらいの1冊の本になるくらいの原稿を書きました。その『未咲』というのは、『ラストレター』の前日譚であり、どんなことがあって乙坂鏡史郎は今ここにいるのか、という話なんですね。それを福山さんも読んでいるんです、役作りの上で重要だろうということで。つまり小説家乙坂鏡史郎がかつて『未咲』という小説を書き、その後に起きたことがこの物語に繋がっていくので、その中身はぜひ福山さんに知っておいてほしかったので、読んでもらったんです。その『未咲』というのが、僕の大学時代が反映された内容になっていて……SWITCH Vol.38 No.2特集 岩井俊二が描いてきたもの より引用
小説「未咲」には底辺に岩井俊二監督自身のストーリーがあり、小説家鏡史郎自身でもあるのですね。
鏡史郎という体を借りて表現する、岩井俊二の物語なのかもしれません。
小説「未咲」を書いた理由
上記でも触れたように、鏡史郎のモデルは岩井俊二監督だということが分かります。
今回この「未咲」という小説が出来た経緯ですが、福山雅治が鏡史郎を演じるにあたり、鏡史郎の根底にある感情を理解した上で演じて欲しかったのでしょう。
「未咲」を書き始めた監督は、当初は自分の生い立ちのほうが書きやすいからという理由で、自身の大学時代をベースに書いていたそうです。
書いているうちに、楽しくなってきて一気に書き上げたそうですよ。
監督の横浜での学生生活を、福山雅治はダウンロードし、鏡史郎としてその後の人生を演じていたのですね。
小道具としての小説ですが、ちゃんと原稿があり、ストーリーがあるなんてすごいですね。
福山雅治演じる鏡史郎のネチッとした感情がリアルで、作品に深みが出ている理由もうなずけます。
さいごに
小説「未咲」は、岩井俊二監督の人生が基盤になって出来上がった、鏡史郎の生い立ちのような物語なのでしょう。
この作品が世に出ることはあるのでしょうか。
読んでみたいですよね。